紅麴とベニコウジ色素?

~最近話題の紅麴、紅麴色素協会との関連はあるのですか?~
といったお問い合わせを多くいただいております。
協会が取り扱い、海外での使用を可能にするために注力しているのは食品添加物である「ベニコウジ色素」であり、昨今話題の紅麴は正式には「紅麹原料」であり、そもそも取扱区分が異なる物質になります。
まず食品添加物である「ベニコウジ色素」は、第 10 版食品添加物公定書(1)において、以下のように定義された着色料で、国が使用を認めているものです。
ベニコウジカビ属糸状菌(Monascus pilosus 及びMonascus purpureusに限る。)を液体培養した菌体から抽出・殺菌処理を行い生産され、アンカフラビン類及びモナスコルブリン類を主成分とする、食品の着色目的で使用されるものです。
さらに食品には着色料ときちんと表示されます。
これに対し 文献総説(2)などによると、「紅麹原料」は固体培養にて製造され、肝臓でのコレステロール生合成を阻害するモナスコリン類を主成分とし、他、着色物質、有機酸、アミノ酸など種々の成分を含み、血中コレステロール値を低下させる目的で使用されるとされています。

また、「ベニコウジ色素」は、前述の第 10 版食品添加物公定書において、使用基準が定められ、食品の着色において必要最少量で使用することになっています。これらの管理のもとで、これまでに健康危害が発生したことはありません。
簡単にまとめたものを下に表にしておきます。

ベニコウジ色素紅麴
区分食品添加物食品原料
国のレギュレーション第10版食品添加物公定書無し
主成分アンカフラビン類及び
モナスコルブリン類
モナスコリン類及び
有機酸、アミノ酸etc


とはいえ、今後も新たな情報が出てくるかもしれないので、アップデートをきちんとしていきたいと思います。


参考情報
1.第10版食品添加物公定書, ベニコウジ色素 別添参照
2.Red Yeast Rice︓A Systematic Review of the Traditional Uses, Chemistry, Pharmacology, and Quality Control of an Important Chinese Folk Medicine, Bo Zhu et al. Frontier in Pharmacology, 10 (1449) 2019 https://www.frontiersin.org/journals/pharmacology/articles/10.3389/fphar.20 19.01449/full

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